会社が変わるんじゃない。みんなの毎日が変わるんだ
― DXで、仕事をもっとイノベーティブに

2025.12.25

製造業は今、大きな変化の入り口に立っている。
長年、紙やExcelで積み上げてきたありとあらゆるデータをデジタルで蓄積。ビッグデータとしてAIに分析させて活用する動きがどんどんと広がっている。

そのような状況においてIJTTでは、製造の現場を支えるバックオフィスのメンバーが、自分たちで改善のアイデアをカタチにするα-DX推進プロジェクトが進行している。

学生時代に培った分析力と実装力を武器に

そのプロジェクトを事務局として支え、自らもメンバーのひとりとして改善アプリづくりに励んでいるのは入社2年目のタニグチだ。2000年生まれ。大学院でAIを研究してきた。学部時代は「自動販売機の売上とネットレビューの因果関係」を探り、統計分析をはじめ、人間の行動心理やデータの分析経験を積んだ。修士課程では観光地の来訪者データを使い、生成AIが観光案内をする仕組みを開発。福井市の観光案内所で実装まで進めたというから本格的だ。

そんなタニグチが製造業に飛び込んだ理由はシンプル。「日本の強みである産業に関わりたい」という思い。学生時代に人の行動分析に関わってきた経験から、就職活動でも産業や経済を自分なりに分析。大好きなIT分野に関わるだけでなく、日本経済をけん引する自動車産業、その中でも物流を支える商用車の自動車部品メーカーであるIJTTを選択した。そこにはものづくりの根幹を支える現場で価値を届けたいという思いがあった。

若手が挑む DXの最前線

入社してすぐ、偶然にも配属と同じタイミングでα-DX推進プロジェクト がスタート。学生時代の実績もあり、事務局のメンバーとなった。
プロジェクトは、バックオフィス部門を中心に若手や業務に課題を抱えるメンバーからなる選抜チームを編成し、業務フローを可視化して課題を洗い出した上で、どのようなシステムが効率的なのかを検討した。使用するのは、Power Automateやkintoneなどのローコード・ノーコードツール。ファイルごとに分散し、Excelで管理蓄積されていたデータを、「ビッグデータ」として誰もが利活用しやすい状態で保管する仕組みを構築した。

「まずは『守りのDX 』として紙を減らし、煩雑な業務を整理。解決しやすいところからアジャイルで手を打っています」。ルーティンワークにかかる時間を減らし、よりクリエイティブな業務へと時間をシフトする。タニグチは、業務効率化で生まれる余裕が、次のイノベーションにつながると確信している。

AIはツール、人が主役

AIを研究してきたタニグチが強調するのは「AIはツールでしかない」ということ。
「AIが文章や資料を作っても、その内容は人が責任を持つ。ビジネスは人と人をつなぐものだから、結局コミュニケーションが一番大事」。DXは技術だけでは進まない。現場の声を聞き、会話を重ねることが価値を生むと感じている。タニグチはその橋渡し役だ。

IT部門に大切なのはコミュニケーション

タニグチの強みは、人との距離の近さだ。職場でも食事に誘われたら 「行きます!」と即答するタイプ。
「社会人になる前は年上の人は怖いと思っていた。でも、同じグループの先輩に出会ってから考え方が変わった。先輩は、"未来から来たのかな?"と思うほど物事の推移を予測できるし、そんなに仕事ができるのに物腰が柔らかく、社内のいろいろな人から声を掛けられている」。
人とのつながりを何よりも大切にしている先輩の背中を追いかけて、どうしたらもっと人の役に立てるか、会社の利益になるか、人をフォローすることに注力している。

人を中心に回っている業務だからこそ、タニグチの観察力とコミュニケーション力は大きな武器だ。

DXのアンバサダーを目指す―若手が挑むファーストステップ

「まずはDXのアンバサダーになりたい。みんなに教える立場で、新しい技術を浸透させる人になる」。現在携わっている事務局でも、進捗が止まってしまうメンバーに声掛けを欠かさない。

「プロジェクトは、業務効率化だけが目的ではありません。IT部門以外でITに詳しい人を増やすこともミッションのひとつ。だから、つまずいたときにシステムのことが嫌いになったりしないよう、サポートすることを心がけています」。

ファーストステップのその先にはITのジェネラリストとして、要件定義から現場改善までをつなぐキャリアを描いている。「現場を知って、経営とITを結ぶ人になりたい」。その言葉に、ものづくりの未来を支える覚悟がにじむ。

製造業はまだまだ変われる。人とAIが作り出す未来の先を、新卒2年目の若手エンジニアは見つめている。