工場から未来は変えられる
― 「従業員が世界一働きたいと思える工場」へ―

IJTTはPurpose「地球にやさしい」とVision「循環型の価値」を掲げ、製造業の持続的成長を追求している。その実現には、現場の「安全」「健康」「快適性」の確保が不可欠だ。理念を現場で形にするため、IJTT真岡工場では「従業員が世界一働きたいと思える工場」を目指すプロジェクトを進めている。真岡工場はディーゼルエンジンへの依存度が高く、将来を見据えた事業転換が求められている。この変革を現場から支えるには、従業員一人ひとりの主体性が欠かせない。そのために掲げられたスローガンが「従業員が世界一働きたいと思える工場」であり、その具体策が"工場のテーマパーク化"だ。

「従業員が世界一働きたいと思える工場」とは、単に快適なだけではない。働く人の声が尊重され、改善がカタチになる場所のことだ。そこで生まれた小さな工夫の連鎖が、働く人のコンディションを整え、品質を高め、地域との関係まで変えていく。
「うちの工場って、やれば変わるよね」。その実感が積み重なる場所こそ、IJTTが目指す姿だ。
目指す"工場のテーマパーク化"は、一度きりの見学ではなく「何度も来たい」と思わせる魅力的な体験を提供することで、新しい価値を生み出す取り組みでもある。現場主体の改善とおもてなしを通じて、挑戦する人を増やし、改善を文化として根づかせ、働く人の意識を前向きに変えていく。その積み重ねが、新しい価値を生み、ビジネスチャンスを広げていく。

現場から積み上げた"働きやすさ改革"

IJTT真岡工場は6つの工場の中でも最もコンパクトな規模。だからこそ、現場の声を起点にした"テストケース"を生み出しやすい。現場の声を拾い上げ、スピーディに改善へつなげる姿勢がIJTT真岡工場の大きな特徴だ。
2024年、IJTT真岡工場では暑さ・安全・健康・地域・環境といったテーマで、現場発の改善が次々と生まれた。特に暑熱対策は、内陸特有の高温多湿という地域特性もあり、品質や安全に直結する重要な課題となっていた。会社としても従業員の健康管理は重大な責務であり、データに基づいた改善を進めている。

工場長のツゲノはこう語る。
「真岡は規模が小さいからこそ、現場の声がすぐにカタチになる。"やってみよう"のスピード感が、この工場の強みなんです。それが『従業員が世界一働きたいと思える工場』、つまり"工場のテーマパーク化"への原動力になっています」
当初は戸惑いもあったスローガンも、活動を重ねる中で現場に根付いてきている。

現場の声を拾い上げ、工場のテーマパーク化を推進してきた業務グループリーダーのアナザワは、取り組みをこう振り返る。
「暑さは避けられない。でも、工夫で"しんどさ"は減らせる。空調服や給水など設備や制度設計だけでなく、かき氷など、楽しさも混ぜながら続けられる仕組みを意識しました」

暑さ対策として、身体を効率的に冷やす空調服を導入した。空冷・水冷式や電気で直接冷却するペルチェ式といった特殊なタイプを貸与。給水ポイントの増設、かき氷の提供など、楽しさを交えた工夫が広がった。さらに、スマートフィットを活用した体調モニタリングや、休憩の取り方を見直す"クーリングタイム"の導入など、無理なく続けられる仕組みづくりも進んだ。従業員が体調変化に気づきやすくなり、声を掛け合う文化も生まれている。

製造現場で働くスズキは、変化をこう感じている。
「空調服は、電源を入れた瞬間に身体全体が冷える感覚です。熱を帯びる設備の横で作業を続けても呼吸が楽になり、『守られている』と感じます。水分不足時はスマートフィットのアラームが鳴り、体調変化にいち早く気づけるようにもなりました。『今日は調子どう?』などとコミュニケーションの機会も生まれ、職場の関係性もよくなっていると思います。小さなことでも"昨日よりちょっと良い今日"を積み重ねることが、『従業員が世界一働きたいと思える工場』の当たり前をつくるんだと思います」

小さな改善が、大きな価値につながっていく

安全衛生の取り組みでは、危険の"予兆"を捉える感度を高める活動が強化され、コンプライアンス意識の浸透にもつながった。
また、地域にひらかれた工場として、看護学生の公衆衛生看護実習を受け入れ、製造現場で起こりうる危険を疑似的に体験する安全体感教育を実施し、安全文化の土台づくりに協力した。学生からの「現場の雰囲気があたたかい」という声は、従業員の励みにもなっている。こうした外部との接点を工場に積極的に取り込むことは現場の自信にもつながり、次の改善の原動力にもなる。

まだ途中。でも、この歩幅が"未来の当たり前"になる

空調がすぐに変えられないなら空調服を準備する。暑さに勝てないなら、かき氷で楽しさに変える。のどの渇きを意識する前にアラームが知らせ、1時間に1回のクールダウンタイムで休む。
こうした日々の小さな工夫や、一人ひとりの声から生まれる改善の積み重ねが、やがて大きな変化を生み出す。こうした改善の連鎖こそ、IJTTのVision「循環型の価値」が現場で息づいている証だ。この流れが働きやすさや、品質を高め、地域との関係性をも前向きに変えていく。「うちの工場って、やれば変わるよね」。その実感を積みあげることが、『従業員が世界一働きたいと思える工場』という未来をカタチづくっていく。

IJTT真岡工場の"テーマパーク化"は、すでに足元から始まっている。