入社4年目が描く、「改善」プラン
― 宮城工場から始まる、ムダをなくす未来づくり
2026.04.28
IJTT宮城工場では、生産効率の向上を目的とした「トヨタ生産方式(TPS)」の導入や設備を常に最高の状態に保つ「全員参加の生産保全(TPM)」の推進を目指し、自主保全活動を実施するなど、多岐にわたる改善活動に取り組んでいる。
それらの活動に積極的に取り組むひとりが、入社4年目の若手で、鍛造グループに所属するハラシナである。
彼がメンバーとともに挑むプロジェクトと、そこで宮城工場で高まりつつある「改善」の波を追う。
ハラシナが挑む宮城工場の「改善」
ハラシナは、入社当初から生産ラインの進捗管理や、現場から寄せられる改善提案への対応を担当してきた。
そんな彼は、宮城工場の「トヨタ生産方式(TPS)」導入を軸としたチームに参加。以前から担当していた、自動車の主要部品であるフロントアクスルを構成する「アイビーム」の製造工程改善に挑んでいる。
このチームが発足したのは、ハラシナが入社して1年がたったころ。企業理念の一新や新中期経営計画の策定などがあり、会社全体が大きく変わろうとしていたタイミングだった。ハラシナは当時を振り返り、期待と不安が入り混じっていたと話す。
「全社で開催されたTPSの勉強会へ参加し、そこで工場として最も利益を出すには何をすべきかを深く学びました。その知識を持ち帰り、宮城工場で導入したのがチーム活動のはじまりです。既に立ち上がっていたチームに加わったのではなく、自分たちで活動を形にしていくところからのスタートだったので、最初はまさに手探りでした」
宮城工場に戻ったハラシナたちがまず取り掛かったのは、生産工程におけるモノと情報の流れを詳細に図式化する「物と情報の流れ図」の作成だった。改めて工程全体を洗い出す作業は、容易ではなかったという。
「今は人数も増えましたが、当初、宮城工場のチームは先の勉強会に参加した私と同期の2名のみでした。ゴールもまだ明確ではなかったので『宮城工場なりに考えると、こうかな』と思うことをすべて書くために、あえて方眼紙に書き出し、そこから試行錯誤を重ねました。最初は非常に難しかったですが、上司や役員の方々からもアドバイスをいただきながら現状を見える化することができました」
現場を動かす「かんばん」導入への挑戦
難しさを感じながらも現状分析を進めたハラシナたちは、「物と情報の流れ図」を作成したことで、改善すべきポイントが明確になったという。
「現状把握と分析の結果、工程間の距離が長く、仕掛品置き場に完成途中の製品が滞留していることがわかりました。在庫の最適化に向けて検討する中で、導入を試みたのが『かんばん』という生産管理の仕組みです。これは、必要なものを、必要な時に、必要なだけ生産するための指示書のような役割を果たします」
次の課題は、その仕組みをどう現場に浸透させるかだった。
「新しい生産システムをラインに導入するとなると、現場のみなさんにとっては大きな変化です。導入にあたっての最初の説明会では私たちの説明が足りず、ライン長のみなさんをはじめ『負担が増えるのではないか』といった疑問の声も少なくありませんでした」
実際に製品を製造するのは現場。理論上成り立つだけでは意味がないことは、ハラシナたちも理解していた。だからこそ、ラインを統括する立場であるライン長からもらった声を真摯に受け止め、再度説明会を実施した。
「現場のみなさんに指摘いただいた内容や要望を踏まえた上でもう一度説明会を行いました。その結果、なんとか試験運用までこぎつけることができました。しかし、実際に運用し、コスト削減という具体的な成果につながってこそ、本当のスタートラインだと考えています」
「一方で現場の声を踏まえながら『この改善が会社の利益につながる』ということを必死に伝えた経験は自分にとって大きな成長につながったと感じています」
宮城工場からはじまる、多角的な改善のアプローチ
ハラシナたちのチームは、「物と情報の流れ図」によって見えてきた課題に対し、さらに多角的なアプローチで改善を進めようとしている。ハラシナは、ここでも「かんばん」導入を通じて得た各部署との協働の経験を活かしたいと話す。
「『この活動はいずれ自分たちの仕事を楽にする活動だ』ということを伝えることができれば、現場のみなさんは必ず応えてくれる。現在、工場内では何も積んでいないフォークリフトが積載物を探して工場内を移動しているケースがよく見られます。そうしたムダを減らす活動においても、ライン長をはじめとした現場のみなさんに理解して納得してもらうことを大切にしています」
「将来的には、私が中心となって社内外のさまざまな方々と連携し、鍛造(金属を叩いて成形する工程)ライン全体の改善に取り組めたらいいなと思います」

「改善」とともに歩む、これからの自分
ハラシナは、宮城工場の「改善活動」に対し真剣に取り組んできたこれまでの道のりを振り返り、自身のこれからについて次のように語る。
「入社からさまざまな取り組みに参加しました。私は生産現場に近い部署にいるため、「現場・現物・現実」の三現主義が大切であることはいつも認識していましたが、それらの経験を通し、より現場の立場、相手の立場になって考える重要性を改めて実感しました。そのことが、『常に相手の立場になって考える』姿勢の土台になったのだと思います」
「鍛造会社は全国的にも数が少ないからこそ、『宮城にIJTTがある』と言ってもらえるような存在にしていきたいです。自信を持ってアピールできる工場にしていきたいと思います」
宮城工場はハラシナたちのような若い力が牽引し、さらなる進化を続けている。彼らの情熱と行動は、宮城から、IJTTの未来を支える大きな力になっている。
